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​大会長挨拶

 この度、2026年7月12日(日)、第41回滋賀県理学療法学術集会を開催させていただく運びとなりました。

 

 近年、理学療法士は全国で20万人を超え、その職域は拡大し続けています。それに伴い、私たちに求められる知識や技能の幅は広がり、専門職としての能力は一層高い水準が求められています。

 一方で、働き方改革や慢性的な人員不足による臨床現場の多忙さを背景に、学習に割ける時間や機会の確保は困難を極めています。

 そこで、本学会は、こうした状況の中で、臨床・教育の視点から改めて各領域における標準的評価と介入の枠組みを明文化し、それをいかに個別性に応じた臨床・教育へと展開していくかを共有したいと考えております。そして、この個別性の集積が再び標準的評価や介入の質を高めていく――すなわち「標準化と個別性の往還」を、参加者全体で共有する場にしたいと考えております。

 今回の学会がそのような場となることを願い、学会フライヤーには想いを込めました。大樹の幹は「標準化」を表し、そこから四方に広がる枝葉や果実は「個別性」を象徴しています。やがて大地に降り積もる落葉は、症例報告や研究成果といった「実践知」として幹を養い、理学療法の基盤を豊かにしていきます。そして、その好循環を陰ながら支え、成長を育む存在(管理・運営)を、水を注ぐ人物のシルエットで表現しました。

 基調講演・教育講演では、上記の内容を踏まえ、多くの領域(動作分析・徒手療法・中枢疾患・運動器疾患・循環器疾患・災害支援・管理・運営)からご講演いただく予定です。

 また、市民公開講座では、誤嚥や転倒予防をテーマに、落語を取り入れながら県民の皆様に楽しみつつ学んでいただき、啓発にも寄与する内容としております。

  本学会が、多くの方々にとって共に悩み、共に学ぶ有意義な場となり、標準化と個別性を改めて見つめ直す契機となることを心より願っております。

 皆さまのご参加をお待ち申し上げます。

 

第41回滋賀県理学療法学術集会

大会長 前川遼太

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